「By The Time I Get To Phoenix」(恋はフェニックス)は1967年にグレン・キャンベルがカバーしてヒットした曲です。
21歳でグラミー賞をとったジミー・ウェブが20歳のときに書きました。
恋人に「分かれるよ。」とだけメモを残して、黙って旅に出た身勝手な男の想いを歌った曲です
By The Time I Get To Phoenix から学べる英語
ロサンゼルス(?)からフェニックス(アリゾナ州)、アルバカーキ(ニュー・メキシコ州)、オクラホマ州と西から東へ進む間に、元の彼女がどうしているかを想像しています。
「男」が遠く離れるに従って、「恋人」の切ない心情が次第に大きくなっていく構成はさすがだと思います。
<時を表す接続詞>
By the time I get to Phoenix she'll be rising
フェニックスにつく頃には、彼女は目を覚ましていることだろうShe'll find the note I left hanging on her door
そしてドアに残したぼくのメモを見つけるだろうShe'll laugh when she reads the part that says I'm leaving
「出ていくよ」と書いたメモを読んで、彼女はきっと笑うだろうなCause I've left that girl so many times before
これまでに何度も、出て行ったからねBy Jimmy Web
by the time(~するころまでには)は「時」を表す接続詞で「副詞節」を作ります。
重要なのは、「副詞節」の部分がたとえ、「未来」の話であっても、「現在形」を使うということです。
「主節」のほうは、当然、「未来形」になります。
BY the time I get to Phoenix, she'll be rising.
when he comes here, I will tell the truth.
明日、彼がここに来た時、真実を話そう。
She'll laugh when she reads the part
彼女はその部分を読む時に笑うだろう。
<関係代名詞>
She'll find the note I left hanging on her door
そしてドアに残したぼくのメモを見つけるだろうShe'll laugh when she reads the part that says I'm leaving
「出ていくよ」と書いたメモを読んで、彼女はきっと笑うだろうなBy Jimmy Web
「△△である○○」という表現を表すために、「関係代名詞」を用いて「形容詞節」を作ります。
関係代名詞の主格 who(人), which(人以外), that(人や人以外)
〃 所有格 whose人や人以外)
〃 目的格 whom(人), which(人以外), that(人や人以外)
順序が入れ替わりますが、「歌詞」の後の文が、「関係代名詞」の主格を使った文です。
the part that says I'm leaving
the part(その部分) → which/that(それは) → says I'm leaving(言っている 私は去っていくと)
the part (その部分)に対して、もう一度、which(それは)という関係代名詞の主格で言い直して、後半につなげます。
say(言う)というのは、もちろん、「~と書いてある」という意味です。
次に、
the note I left hanging on her door という文は
the note (which) I left hanging on her door と which が省略されています。
関係代名詞の目的格は省略してもかまいません。
the note (そのメモ)→ which(それを) → I left(私は残してきた) hanging on her door(ドアにかけた状態で)
the note (そのメモ)に対して、もう一度、which(それを)という関係代名詞の目的格で言い直して、後半につなげます。
<現在完了の経験>
Cause I've left that girl so many times before
これまでに何度も、出て行ったからねBy Jimmy Web
「現在完了」は have/has + 過去分詞 を使って、次のような意味になります。
① 完了・・・「~してしまった」「~したところだ」
② 継続・・・「ずっと~している」
③ 経験・・・「~したことがある」
④ 結果・・・「~した、(その結果)~である」
それぞれ、使う「副詞」に特徴があります。
① 完了・・・just(ちょうど)、already(すでに)、yet(もう、まだ)など
② 継続・・・since ~(~以来)、for ~(~間)など
③ 経験・・・before(以前に)、once(1度)、never (1度も~ない)、ever(今までに)など
④ 結果・・・(「副詞」はあまり使われず、動詞に特徴がある。)
歌詞の中の I've left that girl so many times before. は「副詞」の使い方を見ると、「経験」の意味で、「以前に何度もその女の子と別れたことがある。」という意味になる。
<知覚動詞+目的+原形>
By the time I make Albuquerque she'll be working
アルバカーキにつく頃には、彼女は働いていることだろうShe'll prob'ly stop at lunch and give me a call
ランチの合間にボクに電話をするかもしれないBut she'll just hear that phone keep on ringing
でもベルが鳴り続けるのを聞くだけOff the wall that's all
壁から離れておしまいBy Jimmy Web
知覚動詞というのは、see(見る)、hear(聞こえる)のような動詞のことをいいます。
知覚動詞は、「目的語」のあとに「動詞の原形」がきて、「~が~するのを見る/聞く」と訳します。
I saw him cross the street.
私は彼が通りを横切るのを見た。
I saw him crossing the street.
私は彼が通りを横切っているところを見た。
この文章は、him のあとに、be crossing という「進行形」がついている形です。(原形の be は必ず省略されます。)
「知覚動詞」は「~が~するのを」部分が理解できれば、ほぼ9割理解していることになります。
By the time I make Oklahoma she'll be sleeping
オクラホマにつく頃には、彼女は眠りにつくだろうShe'll turn softly and call my name out low
ゆっくり寝がえりして、僕の名前を呼んで、And she'll cry just to think I'd really leave her
今度は本当に分かれるつもりだと分かって、きっと泣くだろうTho' time and time I tried to tell her so
何度も彼女にはそう言おうとしてきたのにShe just didn't know I would really go
彼女が本気にしなかったんだBy Jimmy Web
男の身勝手さに振り回された女の可愛そうなくらい切ない歌なのに、いくら何でも「恋はフェニックス」というタイトルはダメでしょう!