ビートルズの「Yesterday」は1965年に発表された曲で、ポールの弾くアコースティック・ギターと弦楽器のみのアレンジになっています。
Yesterday の意味
「Yesterday」というのは、言葉通りの「昨日」という意味のニュアンスを残しつつ、漠然と「過去」を示す言葉として、使われています。
Yesterday all my troubles seemed so far away
Paul MacCartney
以前は何一つ悩みはなかったのに
日常会話での「yesterday」は、もちろん「昨日」のことだすが、「詩」の世界だは、「過ぎ去った日々」のことを表すほうが多いようです。
「昨日」を含む、漠然とした「過去」と言ったほうがいいのかもしれません。
カーペンターズの「Yesterday Once More」も「昨日をもう一度」ではなく、「古き良き時代をもう一度」と歌っています。
「過ぎ去りし青春」という歌の原題は「Yesterday When I Was Young」となっています。
「~は~のようだ」という表現ではなく「~は~だ」と表現する「隠喩」も「詩」の大事な技法です。
「 Yesterday 」の詩には他にもいくつか「気になる表現」が使われているので、取り上げてみます。
Now it looks as though they're here to stay
Paul MacCartney
今は悩みごとがここにいるかのようだ
< look as though の使い方 >
as though / as if には2つの用法があります。
1つは、後ろに仮定法を伴って、「まるで~かのように」の意味を表します
You talk as if(=though) you knew everything.
君はまるで何でも知っているかのように話す。
She looked as if(though) she had seen a ghost.
彼女はまるで幽霊でも見たかのようだった。
※「仮定法」なので、主節の時制より1つ「ズレ」た時制を使います。
もう1つは、仮定の意味はなく、単なる「様子」を表し、「~らしい」の意味を表します。
この場合、look や seem などの動詞といっしょに使うことが多いようです。
It looks as if(though) it's going to snow.
雪になるらしい。
口語では、 It looks as if(though) のかわりに、It looks like ~ もよく使われます。
It looks like you haven't finished your homework.
君はまだ宿題を終えていないようだね。
Suddenly I'm not half the man I used to be
Paul MacCartney
突然、僕は以前の半分ほどもない
< not half the man I used to be の意味 >
not half は「~の半分ほどもない」「まったく~ではない」という意味です。
half も all と同じように、 half of the man の of が省略されて、halh the man となります。。
the man I used to be は「関係代名詞」 that の省略です。
used to は「助動詞」で、「~したものだった」「以前は~だった」という意味があります。「 was 」や「 were 」と同じ意味です。
the man I used to be というのは、
「私が以前そうだった男」という意味になります。
Why she had to go I don't know she wouldn't say
Paul MacCartney
なぜ彼女は行かなければならなかったのか、僕にはわからない
彼女は言おうとしなかった
< 間接疑問文 >
「主節」の文のあとに、「疑問文」がくる形を「間接疑問文」といいます。
注意するポイントは、「疑問の形を元に戻す」ことと、「時制を合わせる」ということです。
Why she had to go I don't know という文は、
I don't know と why did she have to go. をつなげた「間接疑問文」の「倒置」です。
後半の「疑問」の形( did が主語の前にでている)を元の位置に戻します。
疑問文に「疑問詞」がある場合は、それを「つなぎ目」に使えますが、
「疑問詞」がない疑問文は、
I don't know + Is he a doctor?
I don't know whether(if) he is a doctor.
と、whether / if(~かどうかの意味)を用います。
if は文頭に置いてはいけない、be 動詞のあとに置いてはいけない、等の「制約」が多いので、whether のほうがおススメです。
She wouldn't say は will not の過去形で、「絶対に~しなかった」という強い「否定」の意味です。